スマートフォンの月々の料金を節約したいとお考えではありませんか?
近年、多くのユーザーが通信費削減の手段として「格安SIM」を選択しています。しかし、初めての方にとっては、その仕組みや選び方、乗り換え方法など、疑問や不安が多いことでしょう。
本記事では、初心者の方でも安心して格安SIMを理解し、利用開始できるよう、基本知識から選び方、乗り換え手順までを詳しく解説いたします。
格安SIMとは?初心者でもわかる基本知識
格安SIMは、スマートフォンの通信費を抑える手段として注目されています。まずは、その基本的な仕組みや特徴について紹介します。
格安SIMの仕組みとMVNOとは?
格安SIMとは、大手通信キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンクなど)の通信回線を借り受けてサービスを提供する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」が提供するSIMカードのことを指します。
大手キャリアとの違いは?
大手キャリアと格安SIMの主な違いを以下の表にまとめました。
項目 | 大手キャリア | 格安SIM |
---|---|---|
料金 | 高め | 低価格 |
通信速度 | 安定して高速 | 混雑時に低下する場合あり |
サポート体制 | 店舗サポートが充実 | オンラインサポートが中心 |
契約期間 | 長期契約が多い | 短期・縛りなしプランも多数 |
このように、料金面でのメリットがある一方、通信速度やサポート体制に違いがあることを理解しておくことが重要です。
格安SIMのメリットとデメリット
格安SIMの主なメリットとデメリットを以下にまとめます。
メリット
- 料金が安い:月額料金が大手キャリアに比べて大幅に安くなる場合が多いです。
- プランの柔軟性:データ容量や通話オプションなど、自分の利用状況に合わせて選択可能です。
デメリット
- 通信速度の変動:混雑時や時間帯によっては通信速度が低下することがあります。
- サポート体制の違い:店舗サポートが少なく、オンラインや電話での対応が主となる場合があります。
これらの点を踏まえ、自分の利用スタイルやニーズに合わせて選択することが重要です。
格安SIMを選ぶ前に知っておきたいこと
格安SIMへの乗り換えを検討する際には、事前に確認すべきポイントがいくつかあります。以下で詳しく解説します。
自分のスマホが対応しているか確認
現在お使いのスマートフォンが格安SIMで利用可能かを確認することが重要です。具体的には、以下の点をチェックしましょう。
- SIMロックの有無
大手キャリアで購入した端末にはSIMロックがかかっている場合があります。解除方法は各キャリアの公式サイトで確認できます。 - 対応周波数帯(バンド)
格安SIMが利用する通信バンドに端末が対応しているかを確認しましょう。対応していない場合、通信が不安定になる可能性があります。
通信速度・エリアの違いを知る
格安SIMは大手キャリアの回線を借りてサービスを提供していますが、通信速度やエリアに違いが生じることがあります。
- 通信速度
混雑時や昼休みの時間帯など、一時的に速度が低下することがあります。最新の通信速度情報は各MVNOの公式サイトやレビューサイトで確認できます。 - サービスエリア
基本的には大手キャリアと同じエリアで利用可能ですが、詳細は各MVNOの提供エリアマップで確認しましょう。
SIMロック解除とAPN設定とは?
格安SIMをスムーズに利用するためには、「SIMロック解除」と「APN設定」という2つの重要な準備が必要になります。
特に、大手キャリアで購入したスマートフォンをそのまま使いたい場合は、これらを理解しておくことが大切です。
SIMロックとは、スマートフォンが特定の通信事業者(ドコモ・au・ソフトバンクなど)のSIMカードしか使えないように制限された状態を指します。
これを解除することで、他社のSIMカード(=格安SIM)でも利用可能になります。
- 解除は各キャリアの公式サイトや店舗で無料(または一部条件で有料)で可能。
- 2021年10月以降に発売された端末は、原則としてSIMロックがかかっていません。
- 解除条件には「端末購入から100日経過」「一括払い済み」などがある場合があります。
APN(Access Point Name)とは、スマホがインターネットに接続するための通信設定のことです。
格安SIMを挿入しただけでは通信できず、適切なAPN設定を行う必要があります。
- iPhoneの場合:プロファイル(設定ファイル)をMVNO公式サイトからダウンロードしてインストール。
- Androidの場合:手動で設定画面から以下の情報を入力。
主なAPN入力項目
項目 | 説明例(MVNOにより異なる) |
---|---|
名前 | 任意(例:mineoなど) |
APN | mineo.jp、iijmio.jpなど |
ユーザー名 | なし/指定される場合あり |
パスワード | なし/指定される場合あり |
認証タイプ | PAPまたはCHAP |
設定情報は、契約後に送付される説明書やMVNOの公式サイトに記載されています。設定後、再起動することで正常に通信が開始されることがほとんどです。
失敗しない格安SIMの選び方
格安SIMには多くの事業者があり、プランやサービス内容もさまざまです。自分に合ったSIMを選ぶには、いくつかの重要な比較ポイントを把握しておくことが大切です。
料金プランで比較するポイント
月額料金の安さは格安SIM最大の魅力ですが、ただ安いだけではなく、自分の使い方に合ったプランを選ぶことが重要です。
以下に、主要な格安SIMの2025年3月時点の代表的な料金プランをまとめました。
MVNO名 | データ容量 | 月額料金(税込) | 通話オプション |
---|---|---|---|
IIJmio | 5GB | 990円 | 5分かけ放題+500円 |
mineo | 10GB | 1,518円 | 10分かけ放題+550円 |
LINEMO | 3GB | 990円 | LINE通話無料・5分かけ放題+550円 |
楽天モバイル | 無制限 | 3,278円(使い放題) | 楽天リンクで通話無料 |
※実際の料金はキャンペーンにより変動する場合があります。
料金を比較する際は、単に「安さ」だけでなく、「必要な容量」「通話頻度」「通信品質」なども含めて総合的に判断することが大切です。
通信品質やサポートもチェック
通信の快適さやトラブル時の対応もSIM選びでは無視できないポイントです。
通信品質を確認するポイント
- 速度の安定性:特に昼休み(12時台)や夜(18時〜22時)の速度が遅くなるMVNOもあります。
- 口コミやレビュー:最新の通信速度レポートやSNSの利用者の声も参考にすると良いです。
サポート体制を確認するポイント
- 問い合わせ方法:電話・メール・チャットなど、自分が使いやすい手段が用意されているか。
- 店舗の有無:一部MVNOでは実店舗を持っており、対面での相談も可能です(例:イオンモバイル、UQモバイルなど)。
格安SIMは自己管理が基本ですが、不安が多い初心者は、サポート体制が整ったサービスを選ぶことで安心して利用できます。
通話やデータ通信の使い方で選ぶ
自分のスマホの使い方によって、最適なSIMは異なります。以下に、利用タイプ別のおすすめプラン傾向を紹介します。
利用タイプ | 特徴 | 向いている格安SIM例 |
---|---|---|
通話中心 | 電話をよく使う、短時間の通話が多い | Y!mobile、UQモバイル |
データ中心 | SNSや動画をよく見る、高速通信が欲しい | 楽天モバイル、LINEMO |
低頻度ユーザー | 月に1〜2GB程度しか使わない | IIJmio、mineo |
家族で利用 | 複数回線でまとめたい | OCN モバイル ONE、イオンモバイル |
このように、自分の使い方をしっかり把握することで、無駄のないSIM選びができます。
格安SIMへの乗り換え方法ガイド
格安SIMに興味を持ったら、次は実際に乗り換える手順を理解しましょう。大手キャリアからの移行も思ったほど難しくありません。手順を正しく踏めば、トラブルなくスムーズに乗り換えが可能です。
MNP予約番号の取得方法
MNP(Mobile Number Portability)を利用すれば、現在使っている電話番号をそのまま格安SIMでも使用できます。以下に、主要キャリアでのMNP予約番号取得方法をまとめました(2025年3月時点)。
キャリア | 取得方法 | 受付時間 |
---|---|---|
ドコモ | My docomo / 電話 / 店舗 | 9:00〜20:00 |
au | My au / 電話 / 店舗 | 9:00〜20:00 |
ソフトバンク | My SoftBank / 電話 / 店舗 | 9:00〜20:00 |
楽天モバイル | my 楽天モバイル(アプリ) | 24時間(即時発行) |
※MNP予約番号には15日間の有効期限があります。乗り換え先での手続きはなるべく早めに行いましょう。
MNP予約時に引き止めの提案やアンケートが行われることもありますが、冷静に比較して決断することが大切です。
SIMカードの挿入・設定手順
格安SIMを契約すると、自宅にSIMカードが届きます。設定は以下の手順で進めます。
SIMカードを取り外す・入れ替える作業は、必ず電源をオフにした状態で行いましょう。
端末のSIMスロットに新しい格安SIMを挿入します。nanoSIM・microSIM・標準SIMのサイズに注意が必要です。
格安SIMを利用するには、ネットワーク接続のための「APN(アクセスポイント名)」設定が必要です。
- iPhoneの場合:プロファイルのインストールが必要(MVNOサイトからダウンロード可)
- Androidの場合:設定 → ネットワークとインターネット → モバイルネットワーク → APN から手動で入力
各社のAPN情報(2025年3月時点)は契約後の案内や公式ページに記載されています。
ネット接続・通話・SMSなどが正しく動作するかを確認します。
以上で設定は完了です。10分程度で作業が終わるケースがほとんどです。
乗り換え前にやるべき注意点
トラブルを避けるためにも、以下の事前準備をしておくと安心です。
- 端末のSIMロックを解除(必要な場合)
- キャリアメール(@docomo.ne.jpなど)の移行確認
格安SIMでは使えなくなる場合が多いため、Gmailなどへの移行がおすすめ - LINEやPay系アプリのアカウント引き継ぎ確認
- クレジットカード情報の準備:多くのMVNOでクレジットカード支払いが必要
また、スマホのOSバージョンが古すぎるとAPN設定に対応していないこともあるため、事前に最新バージョンへアップデートしておきましょう。
初心者におすすめの格安SIMランキング
以下に、初心者の方でも安心して利用できる格安SIMを、料金、通信品質、サポート体制などの観点から総合的に評価し、ランキング形式でご紹介します。
1位 楽天モバイル
特徴
- 料金プラン:データ使用量に応じた段階制料金を採用しており、3GBまで月額1,078円、20GBまで2,178円、無制限で3,278円と、使った分だけ支払うシンプルなプランです。
- 通話:専用アプリ「Rakuten Link」を利用することで、国内通話が無料でかけ放題となります。
- 通信エリア:自社回線を拡大中で、都市部を中心に広がっていますが、一部地域ではパートナー回線(au)を利用しています。
メリット
- データ無制限プランが他社と比較しても安価で提供されています。セレクトラ+1引越し侍+1
- 通話料が無料で、頻繁に電話をかける方にとって大きなメリットです。
デメリット
- 通信エリアが他の大手キャリアに比べて狭い場合があり、地方や山間部では注意が必要です。
2位 UQモバイル
特徴
- 料金プラン:3GBで月額1,628円、15GBで2,728円、25GBで3,828円と、シンプルなプラン設定です。
- 通話:通話オプションとして、10分かけ放題(月額770円)や完全かけ放題(月額1,870円)を選択可能です。
- 通信品質:auのサブブランドとして、高品質な通信サービスを提供しています。
メリット
- 通信速度が安定しており、特に混雑時でも快適に利用できます。
- 全国に実店舗があり、対面でのサポートを受けられるため、初心者でも安心です。
デメリット
- 料金は他の格安SIMに比べてやや高めですが、品質とサポートを重視する方には適しています。
3位 ワイモバイル
特徴
- 料金プラン:3GBで月額2,178円、15GBで3,278円、25GBで4,158円と、家族割引やおうち割適用でさらにお得になります。
- 通話:10分かけ放題が基本プランに含まれており、長電話をしない方には十分な内容です。
- 通信品質:ソフトバンクのサブブランドとして、高速で安定した通信を提供しています。
メリット
- 家族割引などの適用で、複数回線を利用する場合にコストを抑えられます。
- 全国のソフトバンクショップでサポートを受けられるため、安心感があります。
デメリット
- 単独での契約では他の格安SIMに比べて料金が高めですが、家族での利用やセット割引を活用することでお得になります。
4位 LINEMO
特徴
- 料金プラン:3GBで月額990円、20GBで2,728円と、シンプルで分かりやすい設定です。
- 通話:5分かけ放題が1年間無料で利用可能(以降は月額550円)で、長電話をしない方には適しています。
- 特典:LINEアプリのデータ通信がカウントフリーとなり、トークや通話を頻繁に利用する方にメリットがあります。
メリット
- 月額990円から利用でき、コストパフォーマンスに優れています。
- LINEのデータ消費がゼロになるため、LINEユーザーには特におすすめです。
デメリット
- オンライン専用のサポート体制となっており、対面でのサポートを希望する方には不向きかもしれません。
5位 mineo(マイネオ)
特徴
- 料金プラン: 1GBで月額1,298円から、20GBでも月額2,178円と、細かく容量を選べるのが魅力です。
- 通話: 10分かけ放題(月額550円)、時間無制限かけ放題(月額1,210円)など多彩な通話オプションがあります。
- 独自サービス: 「フリータンク」や「パケットギフト」など、ユーザー同士でデータを融通し合えるユニークなサービスを提供しています。
メリット
- ドコモ・au・ソフトバンクの3回線に対応しており、端末や地域に応じて柔軟に選べます。
- 「マイそく(低速通信無制限)」などの変わり種プランもあり、ライトユーザーに人気があります。
- オンラインコミュニティ「マイネ王」が活発で、利用者同士の情報交換が盛んです。
デメリット
- 通信速度は混雑時にかなり遅くなる傾向があります。
- 通話品質や回線の安定性は他社サブブランド(UQやワイモバイル)にやや劣ります。
よくある質問と不安の解消Q&A
初めて格安SIMを使う方にとって、「本当に大丈夫?」「使い勝手はどう?」という不安はつきものです。
ここでは、よくある質問を取り上げ、ひとつひとつ丁寧に答えていきます。
- 格安SIMでもLINEやSNSは問題なく使えるの?
-
基本的に問題なく利用可能です。
格安SIMでもLINE、Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSは通常通り利用できます。通話・メッセージ機能も大手キャリアと同様に使えるため、特別な設定は必要ありません。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- LINEの年齢認証
一部MVNOでは年齢認証機能が使えないため、ID検索ができない場合があります。 - 一部のSNS連携アプリ
キャリア連携を前提とした一部のサービスでは、機能制限があることがあります。
通常の使い方であれば、格安SIMで問題になることはほとんどありません。
- LINEの年齢認証
- 緊急通報(110番・119番)は使える?
-
通常の音声通話回線(プレフィックス番号などを使わない通話)であれば、110番や119番への通報は可能です。ただし、次の点に注意してください。
- IP電話やアプリ通話(例:Rakuten Link、LINE通話)では通報不可
緊急通報は「通常の電話アプリ」から発信する必要があります。 - 位置情報の精度に差がある場合あり
MVNOによっては、通報時の位置情報送信が正確でない可能性があります。
したがって、緊急時に備えて「通常の通話機能」が付いたSIMを選ぶことが推奨されます。
- IP電話やアプリ通話(例:Rakuten Link、LINE通話)では通報不可
- キャリアメール(@docomo.ne.jpなど)は使えなくなる?
-
はい、基本的には使えなくなります。ただし代替手段があります。
格安SIMに乗り換えると、大手キャリアが提供するメールアドレス(@docomo.ne.jp、@softbank.ne.jpなど)は使えなくなります。これを不安に感じる方も多いですが、以下の代替手段があります。
- フリーメール(Gmail・Yahoo!メールなど)を活用する
多くのサービスやアプリはGmailなどに対応しているため、乗り換え前に移行しておくと安心です。 - 一部キャリアは有料でメールアドレスを維持可能
ドコモ「ドコモメール持ち運び(月額330円)」などの有料サービスを使えば、メールアドレスを継続利用可能です。
移行手続きを事前に済ませておけば、格安SIMへの乗り換え時にも問題は起きません。
- フリーメール(Gmail・Yahoo!メールなど)を活用する
- サポートがないと困らない?
-
A. オンラインに慣れていれば問題ありません。初心者は店舗サポート付きのMVNOを選ぶと安心です。
多くの格安SIMはコストを抑えるため、サポート体制がオンライン中心です。とはいえ、チャットやメールでの問い合わせ対応は整っていることが多く、基本的な設定やトラブル対応は問題なく行えます。
不安な方は、以下のような「店舗あり」のMVNOを検討しましょう。
スクロールできますMVNO 店舗サポートの有無 特徴 UQモバイル あり(auショップ内) 高速・安定通信+店舗での対面相談が可能 ワイモバイル あり(ソフトバンクショップ) 家族割などもあり、初心者でも使いやすい イオンモバイル あり(イオン店舗内) 格安かつ相談窓口が全国にあり安心 このように、自分のITスキルやサポートの必要度に応じて、サービスを選ぶことが重要です。
まとめ
格安SIMは、毎月のスマホ代を大幅に節約できる現実的な選択肢です。月額1,000円台から利用できるプランが多数あり、使い方に合わせて柔軟に選べるのが魅力です。
この記事では、初心者の方に向けて格安SIMの基本から選び方、乗り換え手順、さらにはおすすめサービスの比較、よくある疑問の解消まで幅広く解説しました。
ポイントをおさらい
- 格安SIMは大手キャリアの回線を借りて運用されており、低価格が最大の魅力。
- 自分のスマホが対応しているか、SIMロックやAPN設定の確認が重要。
- 通話やデータの使い方、通信品質、サポート体制を比較して選ぶべき。
- 初心者には、楽天モバイル、UQモバイル、ワイモバイルなど、サポートの手厚いサービスがおすすめ。
- よくある不安も、正しい知識があれば心配いらない。
初めての格安SIMも、情報をきちんと集めて準備すればスムーズに乗り換えが可能です。このガイドを参考に、安心・お得にスマホライフをスタートしてください。