スマホの通信費を少しでも抑えたいと考えている方に注目されているのが「格安SIM」と「eSIM(イーシム)」の組み合わせです。2025年現在、主要なMVNO(格安SIM事業者)の多くがeSIMに対応しており、物理SIMカード不要で手軽にスマホの通信サービスを開始できるようになりました。
しかし、「自分のスマホはeSIMに対応しているの?」「どの格安SIMが使いやすいの?」「初期設定って難しくない?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、eSIM対応のスマートフォン機種一覧と、対応している格安SIM事業者の最新情報を徹底解説します。さらに、eSIMの基本知識から設定方法、選び方までを丁寧にご紹介しますので、初めての方でも安心して導入できます。
eSIMとは?格安SIMでも使える仕組みを解説
格安SIMを検討するうえで、近年よく耳にする「eSIM(イーシム)」。名前は聞いたことがあっても、実際にどういう仕組みで、どんなメリットがあるのかはまだよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
eSIMは、従来の物理SIMカードとは異なり、スマートフォン内部に組み込まれた「仮想的なSIM機能」で、オンラインだけで通信を開始できる新しい技術です。
この章では、eSIMの基本的な仕組みや、物理SIMとの違い、そして格安SIMでも安心して利用できる理由についてわかりやすく解説していきます。
eSIMと物理SIMの違いとは
従来のスマートフォンでは、通信サービスを利用するために「物理SIMカード」と呼ばれる小さなチップをスマホに挿入していました。しかし、近年登場した「eSIM(イーシム)」は、この物理カードを使わずに通信ができる新しい仕組みです。
この違いにより、eSIMはスマホを開けてカードを差し替える手間がなく、申し込みから利用開始までがとてもスムーズになるというメリットがあります。
eSIMのメリットとデメリット
eSIMには多くのメリットがありますが、いくつか注意点もあります。以下の表に主な利点と弱点をまとめました。
メリット | 内容 |
---|---|
即時開通 | ネットで申し込めば最短即日で利用可能。SIMカードの配送待ちが不要。 |
デュアルSIM運用が可能 | eSIMと物理SIMを組み合わせれば、2つの電話番号や通信プランを1台で使い分けできる。 |
紛失リスクなし | SIMカードの抜き差しが不要なので、紛失や破損の心配がない。 |
海外利用に便利 | 海外用eSIMプロファイルを追加することで、渡航先ですぐ通信可能。 |
ただし、以下のようなデメリットもあります。
デメリット | 内容 |
---|---|
対応端末が限られる | すべてのスマートフォンがeSIMに対応しているわけではない。事前確認が必須。 |
設定にやや手間がかかる | 初期設定でQRコードの読み取りや手動入力が必要な場合がある。 |
機種変更時の再設定 | スマホを変える際には、eSIMプロファイルの再発行が必要。MVNOによっては手数料が発生することも。 |
このように、eSIMは非常に便利な技術ですが、自分の使い方に合っているかを確認しながら導入することが大切です。
2025年版|eSIM対応の格安SIM事業者一覧
2025年3月現在、eSIMに対応する格安SIM(MVNO)は年々増加しており、選択肢も多様化しています。ただし、事業者によって提供形態や対応端末、サポート体制に差があるため、自分の使い方に合ったサービスを選ぶことが重要です。
以下では、主要なeSIM対応MVNOを一覧表で比較し、それぞれの特徴やおすすめポイントを詳しく解説します。
主要MVNOのeSIM対応状況
以下は、eSIMに対応している代表的な格安SIM事業者と、その基本情報をまとめた表です(2025年4月時点)。
事業者名 | 対応プラン | 最低月額料金(税込) | 音声通話対応 | データ専用対応 | eSIM申込形態 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
ahamo | 音声+データ | 2,970円(20GB) | ○ | × | オンライン即時発行 | ドコモ回線・高速通信・シンプルプラン |
楽天モバイル | 音声+データ | 1,078円(〜3GB) | ○ | ○ | アプリ経由・即時発行 | 使った分だけ料金・国内通話かけ放題あり |
povo2.0 | データ+音声 | 0円〜(トッピング制) | ○ | ○ | オンライン即時発行 | 必要な分だけ購入する柔軟スタイル |
LINEMO | 音声+データ | 990円(3GB) | ○ | × | 即時発行 | LINEギガノーカウント・ソフトバンク回線 |
IIJmio | 音声+データ/データ専用 | 850円(2GB) | ○ | ○ | マイページから発行 | 料金安・端末セットも豊富 |
mineo | データ専用(音声eSIMは非対応) | 880円(1GB) | × | ○ | アプリ申込 | データ繰越・ユーザーコミュニティあり |
日本通信SIM | 音声+データ | 290円(1GB) | ○ | ○ | Web即時発行 | 超低価格プラン・シンプル設計 |
UQモバイル | 音声+データ | 2,365円(4GB) | ○ | × | 端末との同時購入推奨 | 安定した回線品質・KDDI回線利用 |
上記のように、各社の料金体系やプラン内容、対応形態はさまざまです。
たとえば、楽天モバイルは少量利用なら1,078円で利用でき、povo2.0はデータや通話を必要な分だけトッピングする斬新な方式です。
一方で、IIJmioはeSIM対応のデータ専用・音声通話両対応プランが揃っており、初心者にも使いやすい構成となっています。
各社の特徴と料金プランまとめ
それぞれの格安SIM事業者には、独自の強みやユニークな料金体系があります。利用シーンやスマホの使い方に合わせて、どの事業者が最適かを見極めるために、ここでは特徴を箇条書きで整理します。
- ahamo
20GBプラン一本でシンプル。ドコモ品質で安定した通信速度。eSIM即時開通が便利。 - 楽天モバイル:使った分だけ支払う従量制。国内通話がアプリ経由で無料。iPhoneとの相性も◎。
- povo2.0:基本料金ゼロ。データ・通話ともに必要分だけ購入できるのでサブ回線にも最適。
- LINEMO:LINEのデータ通信がカウントフリー。ライトユーザー向けの3GBプランが人気。
- IIJmio:コスパ最強の月額850円プランあり。サポートも充実で端末セットも選べる。
- mineo:音声対応は不可だが、データ通信に特化。バースト機能・パケットギフト機能がユニーク。
- 日本通信SIM:とにかく安い。1GBで月額290円〜と低価格を追求した設計。
- UQモバイル:キャリア並みの安定感。サポートも手厚く、家族割・セット割もあり。
このように、自分がどのようにスマホを使いたいかに応じて、選ぶべき格安SIMが変わってきます。次章では、実際にeSIMに対応しているスマートフォン機種を、iPhone・Android別に一覧でご紹介します。
eSIMに対応しているスマホ機種一覧【iPhone・Android】
格安SIMでeSIMを利用するには、使用するスマートフォンがeSIMに対応している必要があります。2025年4月時点で、多くの最新モデルがeSIMに対応しており、特にiPhoneやGoogle Pixel、Galaxyなどの主要ブランドでは、標準機能として搭載されることが増えています。
ここでは、iPhoneとAndroid端末に分けて、代表的なeSIM対応機種を一覧でご紹介します。
iPhoneのeSIM対応モデル
AppleはeSIM技術の普及に積極的で、iPhone XR以降のモデルでは標準的にeSIMがサポートされています。以下は、2025年3月時点で格安SIMでも利用できるiPhoneのeSIM対応機種一覧です。
モデル名 | 発売年 | 備考 |
---|---|---|
iPhone XR | 2018年 | 初のeSIM対応モデル(デュアルSIM) |
iPhone XS / XS Max | 2018年 | デュアルSIM(eSIM + nanoSIM) |
iPhone 11 / 11 Pro / 11 Pro Max | 2019年 | 全モデルeSIM対応 |
iPhone SE(第2世代・第3世代) | 2020・2022年 | 小型・低価格モデルでeSIM対応 |
iPhone 12 / 13 / 14シリーズ | 2020〜2022年 | すべてeSIM + nanoSIM対応 |
iPhone 14(米国版)以降 | 2022年〜 | nanoSIMスロット廃止、eSIM専用(国内版はnanoSIMあり) |
iPhone 15 / 15 Proシリーズ | 2023年 | 最新チップ搭載・eSIM対応完備 |
AndroidのeSIM対応モデル一覧
Androidでは、機種ごとにeSIM対応の有無が異なります。2025年4月現在、日本国内で格安SIMとの利用実績がある代表的な対応機種は以下の通りです。
Google Pixelシリーズ
モデル名 | 発売年 | 備考 |
---|---|---|
Pixel 4 / 4a | 2019年 | 国内eSIM対応の先駆け |
Pixel 5 / 5a | 2020年 | 安定性が高く格安SIMとの相性◎ |
Pixel 6 / 6a / 6 Pro | 2021年 | 低価格モデルでもeSIM搭載 |
Pixel 7 / 7a / 7 Pro | 2022年 | Android13で操作性向上 |
Pixel 8 / 8 Pro | 2023年 | 最新モデル。eSIM専用モデルも登場予定 |
Samsung Galaxyシリーズ
モデル名 | 発売年 | 備考 |
---|---|---|
Galaxy S20以降(5G対応) | 2020年〜 | モデルにより対応有無あり(S21〜対応確実) |
Galaxy Z Fold / Flipシリーズ | 2021年〜 | 折りたたみ機でもeSIM対応増加中 |
Galaxy A23 5G / A54 5G | 2022〜2023年 | 一部のミドルレンジモデルも対応 |
Sony Xperiaシリーズ
モデル名 | 発売年 | 備考 |
---|---|---|
Xperia 1 IV / 5 IV以降 | 2022年〜 | ハイエンドモデル中心にeSIM対応 |
Xperia 10 IV / 10 V | 2022年〜 | ドコモ版は非対応の場合あり |
シャープ AQUOSシリーズ
モデル名 | 発売年 | 備考 |
---|---|---|
AQUOS sense6 / sense6s | 2021年〜 | sense6sで全キャリア対応に進化 |
AQUOS wish2 / wish3 | 2022年〜 | コスパモデルでeSIM対応が進む |
OPPO / その他
モデル名 | 発売年 | 備考 |
---|---|---|
OPPO Reno7 A / Reno10 Pro 5G | 2022〜2023年 | 人気のSIMフリースマホでeSIM搭載 |
Xiaomi 13T / Nothing Phone(1) | 2023年〜 | グローバルモデルでも対応増加中 |
eSIM対応スマホの確認方法とSIMロックの注意点
格安SIMでeSIMを利用するためには、使用中のスマートフォンがeSIMに対応しているだけでなく、「SIMロック」が解除されている必要があります。ここでは、eSIM対応端末の確認方法とSIMロックの解除手順について解説します。
端末がeSIMに対応しているか確認する方法
スマホがeSIMに対応しているかどうかを知るには、いくつかの確認方法があります。以下の手順で、自分の端末をチェックしてみましょう。
- 設定メニューから確認(iPhoneの場合)
- 「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信プランを追加」
- この項目が表示されていれば、eSIMに対応しています。
- 設定メニューから確認(Androidの場合)
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→「詳細設定」→「SIMカード」
- 「eSIMを追加」や「eSIMプロファイル」などの表示があれば対応端末です。
- メーカー公式サイト・取扱説明書の確認
- 型番やモデル名で検索すれば、公式にeSIM対応の記載があります。
- MVNOの動作確認端末ページをチェック
- 契約したい格安SIM会社の「動作確認済端末一覧」に自分の端末が掲載されているか確認しましょう。
ワンポイント: 端末がeSIM対応でも、キャリアによっては機能が制限されていることがあります(例:ドコモ版XperiaではeSIM非対応のことがある)。SIMフリー版または対応モデルかを確認するのが確実です。
SIMロック解除の必要性と手順
スマートフォンを大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)で購入した場合、「SIMロック」がかかっていることがあります。
このロックを解除しないと、他社の格安SIMやeSIMが利用できません。
SIMロック解除が必要な理由
- 他社のSIM(eSIM含む)を使うにはSIMロック解除が必須
- SIMロックされたままだと、通信ができない・設定が通らないことがある
SIMロック解除の条件(2025年時点)
キャリア | 条件 | 解除方法 | 手数料 |
---|---|---|---|
ドコモ | 購入日から100日以上経過(または一括購入) | My docomo・店頭 | オンライン無料/店頭3,300円 |
au(KDDI) | 同上 | My au・店頭 | オンライン無料/店頭3,300円 |
ソフトバンク | 同上 | My SoftBank・店頭 | オンライン無料/店頭3,300円 |
楽天モバイル | SIMロックなし | – | – |
※2021年10月以降に発売された端末は原則SIMロックなしですが、旧端末を使っている方は要注意です。
SIMロック解除の流れ(例:ドコモの場合)
- My docomoにログイン
- 「SIMロック解除の手続き」を選択
- IMEI番号(端末識別番号)を入力
- 内容確認の上、申し込み

格安SIMでeSIMを使う手順と初期設定ガイド
格安SIMでeSIMを利用するには、申込みから初期設定までを正しく行う必要があります。eSIMは物理的なカードの差し込みが不要な分、プロファイルのインストールなど「ちょっとした操作」が必要になりますが、手順さえ知っていれば意外とカンタンです。
この章では、申し込みから設定完了までの流れを、iPhone・Android別にわかりやすく解説します。
申し込み〜開通までの流れ
eSIMは、多くの場合オンライン上で完結します。以下は、格安SIMをeSIMで契約した場合の一般的な流れです。
ステップ | 内容 |
---|---|
① 申込み | 格安SIMの公式サイトから「eSIMプラン」を選択し、必要情報を入力して申し込みます。本人確認書類の提出が求められることもあります。 |
② 開通手続き | 申し込み後、開通手続きに必要な「eSIMプロファイル(QRコード)」がメールやマイページで発行されます。 |
③ eSIMの設定 | QRコードをスマホで読み取ることで、eSIMプロファイルがインストールされます。これにより通信が可能になります。 |
④ 初期設定の確認 | モバイル通信設定、APN設定、通話・SMSの動作確認を行い、問題がなければ完了です。 |
プロファイルのインストール方法(iPhone/Android別)
ここでは、eSIMプロファイルのインストール方法を端末別にご紹介します。手順自体は複雑ではありませんが、Wi-Fi環境下での作業がおすすめです。
【iPhoneの場合】
- 「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信プランを追加」
- 格安SIMから提供されたQRコードをカメラで読み取る
- 表示される通信プランを追加してインストール
- モバイル通信の優先回線を「eSIM側」に設定
- APN構成プロファイルをダウンロード(必要な場合)
【Androidの場合】
機種により多少異なりますが、基本的な手順は以下の通りです。
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」または「モバイルネットワーク」
- 「SIMを追加」または「eSIMを追加」を選択
- QRコードをスキャンまたは手動でコードを入力
- 通信プロファイルが読み込まれたら、APN設定を行う
- モバイルデータ通信が可能か確認
設定が完了すれば、すぐに通信や通話が使えるようになります。APN設定やデータ通信がうまくいかない場合は、格安SIMの公式サポートにある「設定ガイド」や「トラブルシューティング」を確認するとスムーズです。
eSIM対応の格安SIM選びのポイント
eSIMに対応している格安SIMは増えてきましたが、「どれを選べばいいのか分からない」という声もよく聞かれます。料金だけでなく、用途やライフスタイルに合ったサービスを選ぶことが、後悔しないポイントです。
ここでは、利用目的に応じたおすすめの格安SIMや、選び方のコツ、実際のユーザー評価をもとにした人気ランキングをご紹介します。
用途別おすすめの格安SIM
eSIMをどう使うかによって、選ぶべき格安SIMは変わってきます。以下の表は、主な利用目的別におすすめの事業者をまとめたものです。
利用目的 | おすすめ格安SIM | 理由 |
---|---|---|
メイン回線でしっかり使いたい | ahamo、IIJmio、楽天モバイル | 通信品質・サポートが安定しており、音声通話も含まれる |
サブ回線として使いたい | povo2.0、LINEMO | 月額0円〜の柔軟なプランで、必要な時だけ使える |
海外で使いたい | 楽天モバイル、povo(トッピング) | 海外ローミングや海外eSIMの追加に対応している |
通話をたくさん使う | 楽天モバイル、LINEMO | 国内通話かけ放題が無料 or 安価に利用可能 |
とにかく安く済ませたい | 日本通信SIM、mineo(データ専用) | 1GB 290円〜などの超低価格プランあり |
このように、自分のスマホの使い方や生活スタイルに合わせて、最適な格安SIMを選ぶのが賢い方法です。
ユーザー評価が高いMVNOランキング
2025年3月時点での最新レビューやSNSの評判をもとに、ユーザー満足度の高いeSIM対応格安SIMをランキング形式でご紹介します。
順位 | 事業者名 | ユーザー満足ポイント |
---|---|---|
1位 | IIJmio | 価格と通信安定性のバランスが優秀、サポートも丁寧 |
2位 | ahamo | ドコモ回線の品質が高く、eSIM即時開通が好評 |
3位 | povo2.0 | サブ用途としての柔軟性が高く、料金管理がしやすい |
4位 | 楽天モバイル | 使った分だけ料金が決まる従量制と通話無料が魅力 |
5位 | LINEMO | LINEギガノーカウントで、ライトユーザーに人気 |
評価ポイントとしては、「通信の安定性」「eSIMの設定のしやすさ」「料金のわかりやすさ」「サポート体制」などが挙げられます。とくにIIJmioとahamoは、eSIM初心者にも安心して使えると評判です。



まとめ
2025年現在、eSIMは格安SIMとの相性が非常によく、通信費を節約しながらも快適なスマホライフを実現できる選択肢として注目されています。主要なMVNOの多くがeSIMに対応しており、iPhoneやPixelなどの人気スマホも幅広く対応しているため、導入ハードルは以前より格段に下がっています。
eSIMの仕組みや設定方法を理解すれば、オンラインだけで申し込みから開通まで完了でき、物理SIMカードの煩わしさからも解放されます。
自分のスマホが対応しているか、SIMロックが解除されているかをしっかり確認した上で、自分の使い方に合った格安SIMを選んでください。
まずは「端末がeSIMに対応しているか」をチェックすることから始めて、あなたにぴったりの格安SIMライフをスタートさせましょう!

