格安SIMへの乗り換えを検討しているけれど、現在の電話番号をそのまま使い続けたいと考えている方も多いでしょう。
本記事では、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)を利用して、スムーズに電話番号を引き継ぐ方法と、その際の注意点を詳しく解説します。
MNPとは?電話番号を引き継ぐ仕組み
MNP(Mobile Number Portability)とは、現在利用中の電話番号をそのままに、他の携帯電話会社へ乗り換えることができる制度です。
これにより、連絡先の変更を周知する手間が省け、スムーズな移行が可能となります。MNPを利用することで、通信費の節約やサービス内容の充実を図ることができます。
MNP利用時の基本的な流れ
- 現在契約している携帯電話会社からMNP予約番号を取得します。
- 新しい携帯電話会社へMNP予約番号を提供し、契約手続きを行います。
- 新しいSIMカードを受け取り、端末に挿入して設定を行います。
MNP予約番号の取得方法と注意点
MNP予約番号は、現在契約している携帯電話会社から取得する必要があります。
方法は主に「Web」「電話」「店舗」の3つです。以下に、主要3キャリアの取得手段と連絡先をまとめました。
キャリア | Webでの取得 | 電話での取得 | 店舗での取得 | 受付時間(電話) |
---|---|---|---|---|
ドコモ | My docomo | 携帯:151 / 一般:0120-800-000 | ドコモショップ | 9:00~20:00 |
au(KDDI) | My au | 共通:0077-75470 | auショップ | 9:00~20:00 |
ソフトバンク | My SoftBank | 携帯:*5533 / 一般:0800-100-5533 | ソフトバンクショップ | 9:00~20:00 |
MNP予約番号の有効期限は発行日を含めて15日間です。しかし、格安SIM会社への申し込み時点で10日以上の有効期限が必要な場合があるため、取得したらすぐに申し込み手続きを進めましょう。
また、各社のWebサイトでの取得が最もスムーズですが、不安がある場合は電話や店頭でサポートを受けながらの取得も可能です。
特に乗り換えが初めての方は、サポートが丁寧なキャリアショップを利用すると安心です。
格安SIMへの申し込み手順と必要書類
格安SIMへの乗り換えをスムーズに行うためには、以下の手順と必要書類を事前に確認しておくことが重要です。
申し込み手順
本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)、MNP予約番号、メールアドレス、クレジットカードを用意します。
希望する格安SIM提供会社の公式サイトや店舗で手続きを開始します。
音声通話付きSIMを選択し、データ容量や料金プランを決定します。
必要に応じて端末を購入し、支払方法を選択します。
必要情報を入力し、本人確認書類を提出して申し込みを完了します。
必要書類
- 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど。
- MNP予約番号:現在の携帯電話会社から取得したもの。
- メールアドレス:連絡先として使用。
- クレジットカード:月額料金の支払い用。
これらの書類を事前に準備し、手続きを進めることで、スムーズな乗り換えが可能となります。
SIMカード到着後の設定:回線切替とAPN設定
新しいSIMカードが届いたら、以下の設定を行う必要があります。
回線切替の手順とタイミング
回線切替とは、現在の携帯電話会社から新しい格安SIM提供会社へ回線を切り替える手続きです。
多くの場合、格安SIM提供会社のマイページや専用アプリから手続きが可能です。手続き後、数時間以内に切り替えが完了します。
APN設定の方法と注意点
APN(Access Point Name)設定は、インターネットやMMSを利用するための設定です。以下の手順で設定を行います。
- スマートフォンの設定画面を開きます。
- 「モバイルネットワーク」または「ネットワークとインターネット」を選択します。
- 「アクセスポイント名(APN)」を選択し、新しいAPNを追加します。
- 格安SIM提供会社から指定されたAPN情報(名前、APN、ユーザー名、パスワードなど)を入力します。
申し込みに必要な情報が揃っていれば、Webからの申し込みは20分ほどで完了するケースが多いです。スマートフォンが手元にあれば、そのまま操作しながら手続きできます。
また、事前に「本人確認書類のアップロード方法」や「支払い方法の注意点」などを各社の公式サイトで確認しておくと、スムーズな申し込みにつながります。
注意点
- 受付時間の確認
回線切替の受付時間は各社で異なります。
例えば、LINEMOでは9:00~20:30(WEB)、10:00~19:00(自動音声通話)と定められています。
事前に利用する格安SIM提供会社の受付時間を確認し、その時間内に手続きを行うようにしましょう。 - 切替完了までの時間
手続き後、通常30分程度で切替が完了しますが、混雑状況によっては2~3時間かかる場合もあります。
切替中は一時的に通話やデータ通信が利用できなくなるため、余裕を持って手続きを行うことをおすすめします。
電話番号引き継ぎ時の注意点とトラブル対処法
電話番号を引き継いで格安SIMに乗り換える際は、手順を間違えると通信できない期間が発生したり、希望通りに引き継げなかったりする可能性があります。
このセクションでは、よくある注意点と、トラブルが発生した場合の対処法を解説します。
注意点1:MNP予約番号の期限切れ
MNP予約番号の有効期限は15日間ですが、格安SIM会社の中には「有効期限が10日以上残っている」ことを申し込み条件にしているところもあります。取得したらすぐに申し込みを行いましょう。
注意点2:MNPの申し込みタイミング
申し込みから回線切替までの間は、キャリアや時間帯によっては通信・通話ができない“空白期間”が数時間発生することがあります。以下のような対策を取ると安心です。
- 平日の午前中など、サポート対応がスムーズな時間帯に切替手続きを行う
- 連絡が必要な相手には事前に通知しておく
- 重要な仕事や連絡がある日は避ける
注意点3:キャリアメールの利用不可
大手キャリアのメールアドレス(@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jpなど)は、格安SIMに乗り換えると使えなくなります。乗り換え前に以下を準備しましょう。
対策内容 | 詳細 |
---|---|
フリーメールの取得 | GmailやYahoo!メールなどを事前に取得 |
各種登録情報の変更 | Amazon、楽天、銀行口座などに登録しているメールアドレスを変更 |
重要な連絡先への通知 | メール変更を伝えておかないと、重要な通知が届かなくなる恐れがあります |
注意点4:SIMロック解除が必要な場合
使いたいスマートフォンが他キャリアで購入した端末の場合、SIMロックがかかっていることがあります。2021年以降の端末は原則SIMフリーですが、念のため以下を確認しましょう。
- 「設定」→「端末情報」→「SIMステータス」で状態を確認
- 各キャリアの「SIMロック解除ページ」から解除申請(無料)
- 店舗で解除する場合は手数料が発生する可能性あり(3,300円程度)
トラブル時の対処法
トラブル内容 | 主な原因 | 対処法 |
---|---|---|
電話番号が引き継がれない | MNP予約番号の入力ミスなど | 格安SIM会社のカスタマーサポートに連絡 |
通信できない | APN設定ミス | 設定内容を見直し、正しく再入力 |
SMSが届かない | SIM切替直後のタイムラグ | 数時間後に再試行、それでも届かない場合はサポートへ連絡 |
回線切替が完了しない | 手続きミスまたは混雑 | 手続き状況を確認、サポートに問い合わせ |
事前にリスクやトラブル例を知っておくことで、慌てずに対応することができます。引き継ぎ前には、時間に余裕を持って準備するようにしましょう。
まとめ:安心して格安SIMへ乗り換えるために
格安SIMに乗り換えて電話番号を引き継ぐには、MNPの仕組みを理解し、必要な手順を順序良く進めることがポイントです。
特に、「MNP予約番号の取得」「有効期限内での申し込み」「回線切替とAPN設定」などを正確に行えば、大きなトラブルなくスムーズに乗り換えが完了します。
また、以下の点を意識することで、さらに安心して乗り換えを進めることができます。
乗り換えを成功させるコツ
- 必要書類や情報を事前にまとめておく
- 回線切替のタイミングは余裕のある日に設定する
- 通信・通話が一時的に使えない時間を見越して準備する
- フリーメールへの移行や登録情報の変更を済ませておく
- APN設定や端末のSIMロック状態を事前に確認しておく
今の電話番号をそのまま使える安心感と、通信費の節約という大きなメリットを両立できるのが、格安SIM乗り換えの魅力です。
この記事を参考に、計画的に準備を進めて、ぜひ快適でおトクなスマホライフを手に入れてください。